今回はX線室や、透視室など放射線が発生する部屋の貫通処理について解説していきます。
JESRA TR-0037-2011 という工業会規格のJESRAが制定したマニュアルを抜粋しながら紹介していきます。
X線の特性から考える鉛の貫通処理の施工法
X線は物質を透過する電磁波であるが、高密度のものほど透過しずらいので、鉛などの遮蔽物で透過させないように貫通部を処理する必要があります。
つまり、貫通処理を施していない部分にX線が来ると、そのまま透過して外部にでてしまうことになり、外部の人が被ばくするなど大変恐ろしい事態を招く可能性があるので、確実に隙間をなくし密度をあげる施工尾を行うことが重要です。
鉛などで遮へいすることにより、X線は屈折し遮へい物で囲われた中でエネルギーを失い止まるとのこと。
より詳しく知りたい方は色々調べてみて下さい、難しいです!
参考文献:X線の基礎
天井扇などの器具における鉛貫通処理の考え方
まず器具の鉛処理の考え方を解説します。
このような施工をしていきます。
回折して下から来たX線が器具を透過するので、それに対する処理ですね。
実際に施工するときは、何があっても確実に動かない施工をしなけばいけません。
遮へい物である鉛が動いたら大変ですからね。
配管、角ダクトの鉛貫通処理
ここで絶対条件なのは、X線装置からの1次X線を受けないことです。
設計の時点で考えてもらえてるはずですが、ダメな場合は配管を屈折させる必要があるので、施工者も再度確認することで安心して工できます。
配管、ダクトに鉛処理をする範囲ですが、以下の通りです。
- 配管2D
- ダクト2H
配管は直径の2倍、ダクトは高さの2倍を直管部分に鉛巻きします。
2D、2Hとなっているので、気持ち多めに鉛巻きをした方が確実ですね!
鉛が確実に落ちない施工法で施工しましょう。
このように2D以上コンクリート壁がある部分を貫通する場合は、鉛巻きをしなくても良いケースがあるそうです。
コンクリート壁により変わるようなので、無駄にならないように確認を必ず取ってから施工しましょう。
鉛処理における鉛の厚み
基本的なX線は0.5㎜程の鉛で遮蔽できるようなので、普通のX線なら0.5㎜出良さそうですね。
γ(ガンマ)線で強いものだと鉛ですら、数ミリ必要なものがあるそうなので、こちらも確認してから施工しましょう。
参考文献:理科年表